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クッキーレス化で進むフリークエンシーキャップの課題

1分で読めるシリーズ|ニールセン デジタルシニアスタッフ コヴァリョヴァ・ソフィヤ|2021年11月号掲載

ブランドマーケターが直面する多くの課題の中でも、デジタル広告を配信する上でのサードパーティークを活用したターゲティング依存からの脱却は上位に上がってくるのでしょうか。

フリークエンシーキャップは、キャンペーン目標で設定された接触回数に応じて、同じ人に一定回数、同じ広告が配信され、それ以上は配信されないように制限することを目的としています。

一人の「人」が広告に接触する回数は、クッキーレスが進むと意図した回数よりもはるかに多くなることが考えられます。実際に消費者にも影響は及んでおり、「ニールセンデジタル・コンシューマー・データベース2021(ニールセンDigital Consumer Database 2021」よると、過去1年間に何回も表示される広告が増えた、または興味のない広告が表示される機会が増えたと感じる人はインターネット利用者の%に上ります(図表1)

チャート1

では、サードパーティーク規制は実際にどのようにしてフリークエンシーに影響を及ぼすのか、特定の年代をターゲットにしたキャンペーンを実施した場合、クッキー規制がかかったブラウザを使用するユーザーには、既にクッキーレスの影響でターゲティングが困難になっている、ターゲティングができない場合、その人を対象にフリークエンシーキャップを設定することもできません、サードパーティーク規制がかかったブラウザを使用する者は一定期間ごとにサードパーティークがリフレッシュされます、リフレッシュされた度に新しいクッキーが作成されます、実際には同一人物がいる、クッキーがリフレッシュされていないことを、デジタル領域においては別の人物で識別されています、どうぞ。

現状、Androidよりも規制が厳しいiOSユーザーは特に影響を受けやすく、配信されたインプレッションの多くがiOSに配信されている可能性が高いです。フリークエンシーキャップが一部のユーザーにかけられないこと、繰り返し広告が同じ人に配信されている、配信された多くのインプレッションはiOSに偏って配信され、可能性が考えられます。

図表2

意図せず過剰フリークエンシーとなっている場合には、以下2つの課題が生じます。

1.無駄になる広告費

広告のインプレッションが同じ人に繰り返し届いている、場合によっては予算が効率的に使用されていない可能性がある、例えば、キャンペーンの目的が認知を広めることであった場合、リーチを最大化することが重要になりますが、同じ人に繰り返し広告があたってキャンペーン目的を達成することはできません。

2.ブランド

接触回数が多い場合には、ブランドが嫌いになるきっかけとなり、ブランド毀損のリスクも高まります。実際、「ニールセン・ビデオコンテンツ・アンド・アド レポート 2021」(ニールセン ビデオコンテンツ&アドレポート 2021)には、広告視聴後にブランドが嫌いになった人の63%は、過剰なフリークエンシーがきっかけであると回答しています。消費者はプライバシーの向上に悩まされている一方で、同じ広告が繰り返し表示されないなど、高品質のメディア視聴体験も期待できます。

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