メディアを取り巻く環境において、今日ほど選択肢が豊富な時代はない。コネクティッド TV（CTV）の普及とストリーミング・プラットフォームの増加により、メディアを欲する消費者は、新しい魅力的なコンテンツに魅了され続けています。しかし、豊富な選択肢にもかかわらず、多くの人々は、提供されるコンテンツに自分自身を十分に映し出していません。
今日のメディアにおいて、多様性と受容性は、スクリーン上でもストーリー上でも重要な要素であり、メディア業界は、特に米国のラテン系住民を取り上げた本格的なテレビ番組に対する需要に注目しています。
例えば、異なるアイデンティティ・グループのスクリーンタイムのシェアを人口推定値における表現と比較するGracenote Inclusion Opportunity Indexでは、2019年から2020年の間にテレビ放映の娯楽番組全体でラテン系の表現が62指数ポイントも跳ね上がることが示されています。つまり、2019年と2020年にヒスパニック系が画面に登場するテレビコンテンツ全体はまだ人口推計を下回っていますが、2020年の表現の増加によって示される表現ギャップの解消に向けた前向きな動きがあり、それはジャンル別に評価するとより顕著になることがわかります。
そのひとつが、米国のラテン系住民の顕著な増加です。実際、ヒスパニック系住民は現在、米国人口の19％を占め、過去10年間の米国人口増加の50％以上を牽引してきました。
ハリウッドで何十年にもわたって排除されてきたことに不満を感じているラテン系住民は、コンテンツにおいて本物の画面占有率を求めており、39%が自分たちのアイデンティティ・グループがテレビで十分に表現されていないと回答しています1。この感情は従来のテレビ視聴にも反映されており、6月のリニアテレビ視聴者に占めるヒスパニックの割合はわずか12%でした。これに対し、白人のシェアは66%でした2。ヒスパニック系の視聴者を惹きつけているのは、Selena、NCIS、Criminal Minds など、ラテン系の人々が出演している番組です。この視聴行動は、自分のアイデンティティ・グループが出演する番組を見る傾向が強いと答えたラテン系の人々の約 60% の感情と一致しています。
ちょうど1年前、リニアおよびストリーミングのプラットフォームにおいて、画面上のラテンアメリカ人の割合はわずか6％でした。今年は10％弱に増えましたが、それでも米国人口の19％を大きく下回っています。
自分たちのアイデンティティ・グループが登場する番組を求めるにつれ、ラテン系住民はストリーミング・プラットフォームでコンテンツを視聴する時間が増えており、その多くはリニア番組よりも多くのヒスパニック系視聴者を引きつけています。例えば6月には、Netflix でストリーミングされた時間の 22% をヒスパニック系が占めました。この行動は、ストリーミングの選択肢には自分に関連するコンテンツがより多くあると答えたラテン系の 55% の感情を裏付けるものです。
重要なのは、スペイン語のコンテンツが画面上の表現力を高めるということです。スペイン語のコンテンツがなければ、ラテンアメリカの代表性はわずか6%に落ちます。また、交差性など、多くのジャンルの番組で表現力に大きなギャップがあります。例えば、アフロ・ラティーナは、すべてのプラットフォームでほとんど存在せず、わずか0.48%の表現力しかありません。また、ラテン系が画面に登場する場合、犯罪、家族の機能不全、感情的なドラマをテーマとしたコンテンツに登場します。しかし、番組におけるステレオタイプな配役は、ラテン系コミュニティ全体、特に女性の間で、同じように存在しています。
特に、パブリッシャーのニーズが満たされていな い場合、信頼できるコンテンツが重要な差別化要因になる。私たちは、アイデンティティを持つ人々が、最も共感できるコンテンツ、つまり自分たちの姿が見えるコンテンツを探し、エンゲージする傾向があることを知っています。
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備考
- ニールセンのテレビにおける表現に関する意識調査、2021年5月
- Nielsen National TV Panel and Streaming Meter Homes, Share of Total Weighted Streaming Minutes (Weighted), P2+,Total Day, 2021年6月
