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複数のマンガサービスの利用者が約5割、主にマンガアプリを利用

1 minute read | ニールセン デジタル アナリスト マ・ピンチュアン | September 2020

2020年8月時点で、月間100万人以上がスマートフォンから利用しているマンガサービスは16サービスありました(2018年8月時点では10サービス)。上位10サービスの利用者数は2,173万人で、この2年間に83%増加していました(2018年8月時点では、上位10サービス利用者数は1,189万人)。

このようにデジタルでマーケットが拡大しているマンガ業界において、サービス提供会社が利用者を獲得し、利用を促進していくためには、ユーザーがどのようにマンガサービスを利用しているのかを理解する必要があります。

複数のマンガサービス併用者が約50%

マンガにはさまざまなジャンルがあり、それぞれ特定の読者層をターゲットにしています。また発行頻度も出版社によって異なります。オンラインのマンガサービスは、これらの特徴を引き継ぎ、利用者に多様なオプションを提供しています。 一方、利用者は、多数のマンガサービスの中から自分のペースで読みたいコンテンツを提供してくれるサービスを見つけて利用しています。そのため、毎日更新するサービスと週刊のサービスの両方を併用するなど、複数のサービスを利用する傾向があります。

実際、2020年8月時点で2サービス以上を併用している利用者は全体の49%を占めており、マンガサービス利用者全体で見ると、1か月に1人あたり平均で2つのマンガサービスを利用していたことが分かります(図表1)。

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ブラウザサービスよりマンガアプリの利用が頻繫に

次に、マンガサービスのブラウザとアプリからの利用状況を見ると、利用者はブラウザよりもマンガアプリを頻繁に利用している実態がうかがえます。その要因としては、以下の2点が考えられます。

まずマンガアプリの場合、自分の好みによる機能のカスタマイズがしやすく、個人の書棚を作る感覚で好きなコンテンツの絞り込みや、保存も比較的簡単にできます。2つ目の要因としては、アプリはコンテンツの更新やおすすめに関するプッシュ通知などを配信するのに適しているという点が挙げられます。これらの特徴は、サービス利用を習慣化させることができ、ロイヤルティーの高いユーザー層を形成する可能性が高いと考えられます。

2020年8月時点では、ブラウザサービスの1か月あたりの平均利用回数が5回であるのに対し、アプリでは30回と、ほぼ毎日利用されていることがわかりました。また、1回あたりの利用時間でも、ブラウザサービスが4分であるのに対し、アプリからの利用では13分と、3倍以上長く利用されていました(図表2)。

Chart2_20200929

オンラインのマンガマーケットは近年、拡大傾向にありますが、参入サービスが多数ある中、サービスの提供側は、常に利用者に注目してもらう方法を考える必要があります。ロイヤルティーの高い利用者を確保するには、コンテンツとユーザーエクスペリエンスの両方を改良していくことが求められます。ターゲットの利用者がどのようにサービスを併用し、それぞれのマンガサービスでどのようなコンテンツを消費しているのかを把握し、その理解に基づいて、コンテンツの拡充と更新頻度の調整やアプリ開発の検討など、ユーザーエクスペリエンス全体の改善に臨むことが重要です。

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