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在宅勤務中のオーディオ・ストリーミングサービスの利用者数増加による広告機会の拡大

1 minute read | ニールセン デジタル アナリスト マ・ピンチュアン | August 2020

在宅勤務が推奨されているなか、就業環境がオフィスからより自宅などのプライベートな空間に変わったことによって、一部の消費者においてオーディオ・ストリーミングサービスを利用しながら仕事をするという、新しい利用シーンが創出されていることがわかりました。

日中のサービス利用時間シェアが増加

オーディオ・ストリーミングサービスは近年、広告が表示され無料で利用できるサービス(フリーミアムを含む)の利用者数が大きく増加しています。利用者数の多い上位2サービスであるradiko.jpとSpotifyを合わせると、スマートフォン利用者全体(18歳以上)の15%にあたる1,225万人が利用しており、この2年間で50%以上増加していました(2018年7月時点776万人、58%増)。

オーディオ・ストリーミングサービスの利用シーンとしては、これまでは通勤などの移動中の利用がほとんどでしたが、最新のデータによると、日中の利用時間シェアが増加しています。これまで、オフィスでの勤務中にオーディオ・ストリーミングサービスを利用していなかった一部の利用者が、プライベートな就業環境に変わったことによって、業務に従事しながらオーディオ・ストリーミングサービスを利用するようになったことが要因の一つと推測されます。

時間帯別の無料オーディオ・ストリーミングサービスの利用時間シェアを見ると、利用時間が増加するタイミングに変化が起きています。2019年7月データでは、朝の8時と夕方の5時に利用が急上昇していたのが、2020年7月時点では、特定時間に利用が増加することなく、朝の8時から夕方の6時まで継続的に利用されるようになっていました(図表1)。

Free Audio Streaming service trend

次に、就業状態別のアクティブリーチを見ると、フルタイムの就業者と学生のアクティブリーチが2019年と比べて増加していました(図表2)。パートタイムや自営業と比べて、職場や学校から自宅などのプライベート空間での勤務、学習に移行した人が多かったグループで利用が拡大している様子がうかがえます。COVID-19の第二波の影響により在宅勤務、学習の長期化に伴い、この新しい利用習慣も定着していくと推測されます。

Free Audio Streaming service REACH by occupation

利用シーンの拡大による広告配信の機会増加

景気動向が見通し辛い時期におかれた消費者は、コストを重視する傾向があります。そのため、オーディオ・ストリーミングサービスは、フリーミアム又は広告モデルのサービスの利用がさらに拡大していくと考えられ、広告主にとっては消費者とコミュニケーションを取ることができる機会が増加していくことになります。今回見たように利用シーンが変化したことで、これまでと視聴されているコンテンツが変化している可能性も考えられます。マーケティング担当者は無料オーディオ・ストリーミングサービスの利用者像を理解し、利用シーンや、ジャンル、タイミング、フォーマットなどの要素を考慮し、キャンペーンの目的に合ったメディアプランニングを設計していくことが重要です。

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