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Z世代とのコミュニケーションでは、動画とソーシャルネットワークの活用方法の把握が重要

1 minute read | ニールセン デジタル シニアアナリスト 高木史朗 | February 2021

Z世代とミレニアル世代のメディア消費状況

デジタル上でのコミュニケーションの重要性が高まる中、多くのマーケターがミレニアル世代(現在およそ25-39歳)やZ世代(現在およそ18-24歳)とのコミュニケーションが重要と考えているでしょう。その際に、どちらの世代も「デジタルテクノロジーを使いこなしている」ため、同じような世代として捉えているケースがあるとすれば、それは好ましい判断ではありません。ミレニアル世代がデジタルとともに成長してきた世代であるのに対して、Z世代はスマートフォンや動画サービス、ソーシャルメディアなどが当たり前のように存在している時代に育ってきているため、ミレニアル世代よりも更にデジタルへの関与が深いと言えます。自社のターゲットとの効率的なコミュニケーションをプランニングしていく上で、これらの世代間の差異を把握することはとても重要です。

ミレニアル世代やZ世代とコミュニケーションをとっていく上でスマートフォンは最も重要なデバイスですが、その中でのサービスの利用状況が両世代間では異なっています。ミレニアル世代と同様に、Z世代はTwitterやInstagramなどのソーシャルメディアや、YouTubeなどの動画サービスを好んで利用していますが、スマートフォン利用時間のうちより多くの時間をそれらのコンテンツに費やしています。ミレニアル世代がスマートフォン利用時間全体のうち「ビデオと映画」、「メンバーポータル・コミュニティ、SNS」にそれぞれ15%の時間を費やしているのに対して、Z世代は「ビデオと映画」に20%、「メンバーポータル・コミュニティ、SNS」に24%もの時間を費やしています。つまり、ECサイトや検索サービスなどその他のサービス上での接点も重要ですが、動画やソーシャルメディア上で如何に効果的にZ世代とコミュニケーションをとっていくかが極めて重要であることがわかります。

JP Insight20210225

両世代間のデジタルサービスの利用状況の違いは利用時間だけではありません。TwitterやInstagramといったソーシャルメディアに囲まれて育ってきたソーシャルネイティブのZ世代では、ミレニアル世代の約2倍の37%もの人がソーシャルメディア上で積極的に投稿しています。このようにソーシャルメディアへの関与度が高いZ世代とコミュニケーションを取る場合は、彼らが普段接しているコンテンツに溶け込むように、彼らが注目するコンテンツや話題に適合する広告クリエイティブを製作したり、彼らが意識するような、例えば彼らの等身大に近いマイクロインフルエンサーを活用したりすることで、より多くの共感を生むことができるでしょう。

また、様々なデジタル機器に囲まれて育ってきたZ世代は、ミレニアル世代と比べて情報の処理の仕方も異なっています。テレビを視聴している時にスマートフォンを同時に利用するという、ながら利用はどちらの世代でも多くの人が行っていますが、Z世代はテレビを視聴しているときも、ソーシャルメディアと動画コンテンツに対するエンゲージメントが強いようです。実際、ミレニアルがテレビと同時に視聴するコンテンツは、ソーシャルメディアが45%、投稿動画が16%であるのに対して、Z世代はソーシャルメディアが68%、投稿動画が23%と、より多くの割合でこれらのコンテンツをテレビ視聴と同時に楽しんでいます。投稿動画はもちろんのこと、ソーシャルメディアでも近年動画コンテンツが投稿されることが多くなっていることを考えると、ミレニアル世代と比べてZ世代は、複数の動画コンテンツを同時に視聴していることが多いことがわかります。こうした状況を鑑みると、Z世代に対しては、彼らの視覚もしくは聴覚がどのデバイスに集中しているのかを把握した上で、適切なコミュニュケーションをとる必要があります。

ミレニアル世代は既に成熟し自ら所得を得て購買力のある世代であるのに対し、Z世代は親と同居する学生も多く、購買力もそれほど高くはない世代です。そのためミレニアル世代の購買力をターゲットにする時と、購買力はそれほど高くないが発信力の強いZ世代をターゲットとする時とでは、マーケティング戦略を変える必要があります。また、今は購買力の高くないZ世代も、今後彼らが社会人となり生活環境が変わってくると、メディア消費行動も変化する可能性があります。マーケターは常に彼らのメディア消費状況を随時把握し、マーケティング戦略をアップデートして、コミュニケーションを設計していく必要があります。

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